近年、アレルギー疾患が増加しています。
アトピー性皮膚炎をはじめ、アレルギー性鼻炎など私たちの生活のすぐ身近なところでいろいろな病気が話題となっています。
アレルギー疾患の増加の原因の1つとして食生活の変化があげられています。
すなわち、食生活の欧米化による脂肪の摂取量の増加がアレルギー疾患増加の一因となっていると考えられています。
現代の日本人の1日の脂肪の摂取量は約40年前と比べると3倍以上にも増えているのです。
肉や乳製品などの摂取の増加により、リノール酸などの不飽和脂肪酸の摂取量が増え、ロイコトリエン、プロスタグランディンというアレルギー反応を促進する物質が生合成され、アレルギー反応を起こしやすくしているとされています。
一方、魚の摂取量は減少傾向にあります。
魚油由来のEPA,DHAは逆にアレルギー反応を抑制する物質の生合成に関与しているとされています。
つまり、近年の魚の摂取量の減少(さかなをたべる量が少なくなった)も、アレルギー疾患の増加の一因となっていると考えられています。
”さかな、魚、さかなを食べると、からだ、体、からだにいい”という歌詞はこのことを言っているのかも知れません。
ヨーロッパの酪農諸国と、肉類の摂取量の少ないエスキモーのひとを比較すると、動脈硬化や心疾患、アレルギー疾患の発症率で明らかな差があります。
日本では、現代のこどもたちは、家庭やファミリーレストランなどで肉類を食べる機会が多くなっています。
食生活を見直して、肉類、乳製品などの脂肪分の摂りすぎに注意し、EPA,DHAを含むさかなを多く摂取するようにつとめたいものです。