【原因】 麻疹ウイルス感染によるもので飛まつ感染(つば)でうつります。
【潜伏期間】 9~11日
【他児への感染可能期間】 発症1~2日前から発疹出現後4~5日くらいまで。
▼臨床症状
臨床経過はカタル期、発疹期、回復期にわけられます。
▼カタル期
38℃前後の発熱、咳、鼻汁、結膜の充血、眼脂などがみられ、発熱3日目頃より口腔粘膜に“コプリック斑”という特徴的な粘膜疹が出現し、この粘膜疹を確認できれば発疹が出現する前に“麻疹”と診断することができます。
▼発疹期
およそ半日ほど熱がさがった後、あかい発疹の出現とともに再び高熱となり、ぐったりしてきます。発疹は融合して地図状になることもあります。
▼回復期
発疹が全身にひろがると体温は下がりはじめ、回復期に入ります。
発疹は色素沈着を残して徐々に消退し、全身状態も回復してきます。
▼合併症
気管支炎、肺炎、喉頭炎、脳炎などがあり、1000例に1例くらいの頻度で致命的となりますのでこわい病気です。
▼遅発性合併症
麻疹にかかったあと、7年後くらいに発症する亜急性硬化性全脳炎という病気があります。
これは麻疹ウイルスが脳に残っていて知能、精神、運動機能が低下してくる病気ですが私は勤務医時代に1週間のあいだに小児科外来で2例の本症例に遭遇しました。極めてまれな合併症ではありますが、麻疹ワクチンをしていない自然感染の児に有為にみられます(ワクチン接種をした児にはみられない)ので、1歳の誕生日が過ぎたら早めにMRワクチン接種をすませましょう。