当院ではワクチンデビューの赤ちゃんのスケジュールを標準的なスケジュールに準拠して作成させていただいております。予防接種の時間帯を一般診療とは別に設けて、接種時には医師と受付スタッフ4名、看護師3名の体制でおこなっております。
また、密にならないよう、時間帯を前半後半に分けています。(完全予約制)
当院の予防接種のスケジュール案
令和6年度4月から令和6年2月生まれ以降の児は、新規ワクチンである、5種混合(ヒブ、ポリオ、ジフテリア、破傷風、百日咳)の接種を開始しています。
生後2か月
5種混合① 肺炎球菌① B型肝炎① ロタワクチン①
生後3か月
5種混合② 肺炎球菌② B型肝炎② ロタワクチン②
生後4か月
5種混合③ 肺炎球菌③ (ロタワクチン③ 5価ワクチンは3回)
生後5か月
BCG(5種混合3回目から1~2週後)
生後9か月
B型肝炎③
1歳
MRワクチン(麻疹風疹)① 水痘① おたふく①(任意)
5種混合追加 肺炎球菌追加
1歳6か月
水痘②
上記のスケジュールで日程を組んで日程表を保護者のかたにお渡ししています。
なお、接種間隔に間違いがないよう、当院独自のチェック表を利用して接種をおこなっています。
2か月児の予防接種ワクチンの補足説明
大切なお子さまを感染症から予防するために、ワクチンによって予防できる疾患に対して、適切な時期にワクチンを接種しましょう。
生後2か月になったら順序立てて定期予防接種を開始しましょう。
当院ではワクチンデビューされる方で1回目接種のかたはWebでの接種予約ができるようになりました。2回目以降はこちらからプランを提案させていただきます。
●ヒブワクチンについて
ヘモフィルスインフルエンザ菌タイプb(ヒブ)という細菌は乳幼児期早期の細菌性髄膜炎の代表的な原因菌でした。ヒブワクチンがなかった年代は乳児期にこの細菌に感染することが多く、さらに重度の後遺症を残しました。
ヒブワクチンが導入される前の5歳未満人口10万人当たりのヒブ髄膜炎の罹患 率を比較すると、導入後の2014年には0人となり、明らかにヒブワクチンの効果が出ています。乳児期早期早めに(生後2か月から)接種開始することがすすめられます。(なお、導入初期のヒブワクチンの接種率が岐阜県内で瑞穂市がトップクラスだったのは、保護者の方たちにワクチンを知っていただいて、ワクチン助成を市に要請するための署名運動をおこなった効果だと考えられます。たくさんの方の署名が集まり、市に手渡す直前に定期接種となったといういきさつがあります。)
●百日咳ワクチンについて
2018年から百日咳は実数報告感染症となり、発生を確認した医療機関は保健所に報告することとなりました。その結果、百日咳感染のピークは乳児期早期と6歳~15歳未満にあることが分かっています。感染経路は保護者が外で感染し家庭内感染を引き起こしたり、特に乳児の感染では同胞(兄弟)からの感染例が多くみられます。乳児が感染した場合、症状が激しく致命的になることがあるために直ちに入院治療が必要となる疾患です。
●ポリオワクチンについて
ポリオウイルスに感染すると重度の麻痺が残ることが知られ、2012年まではポリオ生ワクチンの経口投与が行われていました。しかし、生ワクチンを経口接種した一部の児に生ワクチンによるポリオ麻痺の発生が見られたことから、2012年9月からポリオの不活性化ワクチンが接種(注射)されることとなり、当初はポリオ不活性化ワクチンの単独接種が行われていましたが、現在は5種混合ワクチンに含まれて接種されています。
●ジフテリア
ジフテリア菌による感染症で、発熱、咽頭通、嚥下痛等で発症する重度の感染症で、日本では1999年の岐阜県の死亡例を最後に、国内での患者報告は認められませんが、海外ではナイジェリア、ギニア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、ラオスなどで流行の発生がみられています。
●破傷風
破傷風菌が産生する毒素によって発生する感染症で、破傷風菌は土壌中に芽胞の形で存在し傷口から侵入した芽胞はその後発芽増殖して破傷風菌毒素を産生します。世界中の多くの地で破傷風菌は発生しており、わが国では、2011年の東日本大震災、2018年の中国地方の大豪雨において、破傷風の発生がみられています。
2024年4月から、以上の5種類の疾患に対する5種混合ワクチンを接種しています。(5種混合ワクチン+肺炎球菌ワクチン+B型肝炎ワクチンの3つの注射をおこなっています。)
- 肺炎球菌ワクチン:肺炎球菌も乳幼児期は髄膜炎、肺炎、中耳炎の原因となる注意すべきものです。
- B型肝炎ワクチン:B型肝炎を引き起こすウイルスに感染すると肝炎や将来肝硬変を引き起こす難治性の病気となります。生後早期に免疫をつけることにより感染予防が期待できます。
●ロタワクチン:(注射ではなく内服するワクチンです)
ロタウイルス感染症は、かつてロタワクチンがない時代には小児仮性コレラ、白痢(白い水溶性下痢症)とも呼ばれた怖い感染症でした。ロタウイルスに感染すると、水溶性下痢が頻回に出現、嘔吐、哺乳力の低下がみられ、急速に脱水症が進行し多くは入院を必要とする疾患でした。
ロタワクチンが定期接種になってからは、重症化するケースは極めて少なくなり総合病院小児科への入院ケースも極めて少なくなっています。現在、2種類のワクチン(2価ワクチン、5価ワクチン)が出ていますが、当院では主に2価ワクチンを接種しています。(2価ワクチン、5価ワクチンとも効果があります。)どちらを選択するかまよわれている方は受付までご相談ください。